ほとんどのオンラインストアには、ダッシュボードが必要なほど大きなサポートチームはありません。いるのは創業者と、パートタイムのチームメンバーと、受信トレイです。いくつかの良い数字がもっとも役に立つのは、まさにそういうときです。お客様が待ちすぎていないか、問題が本当に解決しているか、ストアが防げるはずの問題を生んでいないかを教えてくれます。
このガイドでは、オンラインストアにとって大切なカスタマーサービスの指標を定義し、自社のデータからそれぞれを計算する方法と、それぞれの指標でわからないことを説明します。業界のベンチマークは載せていません。ベンチマークはあらゆる規模、チャネル、商品のストアが混ざったもので、自社のストアにとって最良の比較対象は、先月の自社のストアです。
3つの問いから始める
役に立つサポートの指標は、どれも3つの問いのどれかに答えます。数字がそのどれにも役立たないなら、おそらくまだ必要ありません。
- お客様は待っているか:初回応答時間と解決時間。
- 問題は本当に解決しているか:解決率、再度の問い合わせ、顧客満足度。
- そもそも、お客様はなぜ連絡してくるのか:注文あたりの問い合わせ率と、問い合わせの理由。
初回応答時間
初回応答時間は、お客様の最初のメッセージから、人かAIエージェントからの最初の本当の返信までに、お客様が待つ時間です。
- 計算方法:会話ごとに、最初の返信の時刻からお客様の最初のメッセージの時刻を引きます。そして、会話全体の平均と、中央値も出します。
- 中央値が大切な理由:長い週末のあとに返信した1通のメールが、その月全体の平均を押し上げることがあります。中央値は、ふつうのお客様が経験したことを示します。
- 除外するもの:「メッセージを受け取りました」という自動返信。これは応答ではなく、受領の連絡です。
- わからないこと:役に立たない速い返信。必ず解決とあわせて見ましょう。
チャネルごとに分けましょう。お客様は、チャットやSMSにはメールよりずっと早い返信を期待しているので、混ぜたひとつの数字では、遅いチャットの対応が隠れてしまうことがあります。
解決時間
解決時間は、お客様の最初のメッセージから問題が解決するまでにかかる時間です。
- 計算方法:解決した時刻から最初のメッセージの時刻を引き、解決した会話全体で平均(と中央値)を出します。
- まず「解決」を定義する:会話がクローズされた、依頼された変更が行われた、お客様が確認した、のどれかひとつのルールを選び、それを守ります。定義を変えると数字も変わります。
- 待ち時間に注目する:倉庫が返品を確認するまで2日待つ返金は、サポートの問題ではなく、業務プロセスの問題です。時間がどこで使われているかを書き留めましょう。
解決率と再度の問い合わせ
解決率は、お客様の問題が本当に解決した会話の割合です。正直に測るのがもっとも難しく、もっとも重要な指標です。
- 計算方法:期間内の解決した会話÷すべての会話×100。
- 再度の問い合わせで確かめる:数日以内、たとえば7日以内に同じ問題で再び連絡してきたお客様を数えます。その割合が高いなら、「解決済み」の会話の一部は解決していなかったということです。
- 初回解決:より厳しい指標で、フォローアップなしに1回の会話で解決した割合です。お客様がいちばん実感する数字です。
AIの解決率と自己解決
AIエージェントが会話の一部に答えているなら、さらに2つの数字が大切になります。この2つは混同しがちです。
| 問い合わせの自己解決 | AIの解決率 | |
|---|---|---|
| 数えるもの | 人に届かなかった会話 | AIが完全に解決した会話 |
| 計算式 | 人が関わらなかった会話÷すべての会話 | AIが解決した会話÷AIが対応した会話 |
| あきらめたお客様を含むか | はい | いいえ(解決をきちんと確認していれば) |
| 使い道 | 作業量:チームが手を触れずに済んだ量 | 質:AIが実際に解決した量 |
両方を報告し、会話を読んで確かめましょう。用語集の問い合わせの自己解決とAIの解決率をご覧ください。引き継ぎ率、つまりAIの会話のうち人に渡された割合と、それがどの話題に集中しているかも追いましょう。その話題が、加えるべきナレッジやルールのリストになります。
顧客満足度(CSAT)
CSATは、会話が終わった直後に、ふつう1〜5の段階で、お客様に会話を評価してもらうものです。
- 計算方法:4または5の評価÷すべての評価×100。
- 回答率に注目する:答えるお客様がごく一部なら、点数はほぼ、とても満足した人ととても怒った人を反映したものになります。
- コメントを読む:点数は何かがおかしいことを教えてくれます。コメントは、それが何かを教えてくれます。
- NPSと混同しない:NPSは、ブランドを人にすすめるかどうかを尋ねます。サポートと同じくらい、商品と価格を反映します。
注文あたりの問い合わせ数
ほとんどのストアが見落としている指標で、サポートチームの外にある修正点を指し示してくれる指標です。
- 計算方法:期間内のお客様との会話÷同じ期間の注文数。100を掛けると、注文100件あたりの問い合わせ数として読めます。
- なぜ重要か:ストアが忙しくなるにつれてこの数字が増えるのは、何かが問い合わせを生んでいる場合だけです。注文が2倍になっても問い合わせの件数が横ばいなら、良い兆候です。
- 理由ごとに分ける:注文状況、住所の変更、返品、定期購入、商品の質問、割引コードなど、会話を話題ごとにタグ付けするか分類します。いちばん大きなグループが、もっとも効果のある修正点です。
いちばん多い理由が「注文はどこ?」なら、ふつうの対策は返信を速くすることではなく、発送通知を良くすることです。発送通知のSMSのガイドと、用語集のWISMOで説明しています。
未対応の件数と返信を待つお客様
毎日確認するシンプルな数です。今、何人のお客様が返信を待っていて、いちばん古い人はどれだけ待っているか。平均ほど洗練されてはいませんが、月曜日の朝にはより役に立ちます。1日以上待っている人がいれば、何よりも先に確認しましょう。
データチームなしで、これらすべてを測る方法
- 1. 信頼できる情報源をひとつに決める:メール、電話アプリ、誰かのSMSの寄せ集めではなく、ヘルプデスクか受信トレイです。その外にある会話は、どの指標にも表れません。
- 2. 定義を書き出す:何を返信とみなすか、何を解決とみなすか、何日以内なら再度の問い合わせとみなすか。1段落で十分です。
- 3. 毎回同じ期間を使う:直近30日間、または暦の月ごと。同じ条件で比べましょう。
- 4. 20ではなく、5つの数字を追う:初回応答時間の中央値、解決率、再度の問い合わせの割合、注文100件あたりの問い合わせ数、そして問い合わせの理由の上位3つです。
- 5. 毎週会話を読む:数字はどこを見るべきかを教えてくれます。読めば、何がおかしいかがわかります。AIカスタマーサービスの品質チェックリストに、見直しの手順があります。
計算の例
架空のストアで、数字がどう組み合わさるかを紹介します。計算を示すための作り話の数字です。先月、このストアには2,000件の注文と260件のお客様との会話がありました。230件が解決し、20人のお客様が7日以内に同じ問題で再び連絡してきました。
- 注文100件あたりの問い合わせ数:260÷2,000×100=13。
- 解決率:230÷260×100=約88%。
- 再度の問い合わせの割合:20÷260×100=約8%。
- いちばん多い理由:260件のうち110件が注文状況でした。発送通知を良くすれば、その月の作業のかなりの部分をなくせたかもしれません。
どの数字も、それだけでは良くも悪くもありません。何かを変えたあとで、翌月の数字と比べるときに役に立ちます。
避けるべき間違い
- 役に立たない定型文で、最初の返信の速さを追いかける。
- 再度の問い合わせを確認せずに、クローズした会話を解決済みと数える。
- チャネルや商品が合わない業界平均と比べる。
- 発送の遅さやわかりにくい定期購入の条件など、ストアが生んでいる問題でサポートチームを評価する。
- 年の途中で定義を変え、その変化を進歩と読み違える。
Chargezenができること
Conciergeは、チャット、SMS、WhatsApp、メール、電話のすべてのお客様との会話を、ひとつのチームの受信トレイにまとめるので、数字が1か所から得られます。概要画面には、直近30日間の3つの数字が表示されます。
- 会話:期間内に始まったお客様との会話。
- 自己解決した問い合わせ:引き継ぎもチームメンバーの返信もなく、エージェントが答えた会話。
- 平均応答時間:お客様の最初のメッセージから、エージェントかチームメンバーによる最初の返信まで。
それ以外は、尋ねましょう。Conciergeは、先週の会話をチャネルと話題ごとにまとめたり、まだ返信を待っているお客様を一覧にしたり、今月の苦情をテーマごとに分類したりでき、注文を読み取って注文あたりの問い合わせ数も数えます。データから組み立てた答えでは、「Show work」に読んだものと実行したコマンドが表示されます。データ分析とカスタマーサポートのためのConciergeをご覧ください。
Concierge Starterは月額US$20で、20,000クレジットが含まれます。Proは月額US$199(年払いなら年額US$1,990)で、199,000クレジットが含まれます。お持ちのOpenAIまたはAnthropicのアカウントも接続できます。料金プランをご覧ください。
関連する用語:初回応答時間、解決時間、CSAT、AIの解決率。関連ガイド:AIカスタマーサービスの品質チェックリスト、AIのエスカレーションと人への引き継ぎ、定期購入の指標。
よくある質問
オンラインストアにとってもっとも重要なカスタマーサービスの指標は何ですか?
再度の問い合わせで確かめた解決率です。返信の速さも大切ですが、お客様が覚えているのは問題が解決したかどうかです。
良い初回応答時間とはどれくらいですか?
すべてのチャネルで、先月より速いことです。チャットやSMSのお客様は数分を期待し、メールのお客様はふつうもっと待ってくれます。チャネルごとに自社の目標を決め、中央値を追いましょう。
注文あたりの問い合わせ数はどう計算しますか?
期間内のお客様との会話を、同じ期間の注文数で割ります。100を掛けると注文100件あたりの問い合わせ数になり、読みやすくなります。
問い合わせの自己解決は、解決と同じですか?
いいえ。自己解決は、あきらめたお客様も含め、人に届かなかった会話を数えます。解決は、実際に解決した問題を数えます。両方を追いましょう。




