メールのA/Bテストでは、同じオーディエンスから無作為に分けたグループに2つ以上のバージョンを送り、一度にひとつだけ変更します。クリックなら数時間、注文なら1日ほど待ち、成果の良いバージョンを残りの全員に送ります。まず件名とオファーから始め、できればクリックか注文で判断しましょう。
送るキャンペーンはどれも、お客様が何に反応するかを学ぶ機会です。A/Bテストはその機会を答えに変えます。メッセージの2つ以上のバージョンをリストの一部に送り、待ってから、最も成果の良かったバージョンを残りの全員に送ります。毎週続ければ、メールは推測ではなく根拠によって良くなっていきます。
このガイドでは、最初に試すこと、テストの大きさ、待つ時間、勝者を決める数字、結果を無意味にしてしまう失敗を説明します。
A/Bテストとは?
A/Bテスト(スプリットテスト)とは、ひとつのメッセージの異なるバージョンを、同じオーディエンスから無作為に分けたグループに送り、クリックなどひとつの結果を比べるものです。グループは無作為で、同時にメッセージを受け取るので、結果の差はオーディエンスではなくメッセージから生まれます。「テストして送信」の設定では、テストをリストの一部に送り、勝者を残りに送ります。
最初に何を試すべき?
最も多くの人の行動を変えるものから始めましょう。何が差を生んだのかわかるように、一度に試すのはひとつだけにします。
| 試すもの | 例 | 勝者の決め方 |
|---|---|---|
| 件名 | 「新商品:トラベルマグ」と「15時でも、コーヒーは熱いまま」 | 開封率(注意して読む)またはクリック率 |
| プレビューテキスト | プレビューにオファーを入れる場合と質問を入れる場合 | 開封率またはクリック率 |
| オファー | 15%オフと送料無料 | 注文率 |
| メイン画像 | 商品のみと使用中の商品 | クリック率 |
| 行動喚起 | 「新作を買う」と「新着を見る」 | クリック率 |
| 長さ | 短いメモと商品の物語全文 | クリック率 |
| 差出人名 | ストア名と「創業者名(ストア名)」 | 開封率またはクリック率 |
| SMSの文言 | オファーが先か商品が先か | 注文率 |
どの指標で勝者を決めるべき?
- 開封率:件名、プレビューテキスト、差出人名にのみ使い、注意して読みます。AppleのMail Privacy Protectionは、デフォルトでメールの内容をバックグラウンドでダウンロードします(2026年10月19日確認)。そのため、Apple Mailの開封の多くは、誰かが読んだかどうかにかかわらず記録されます。
- クリック率:内容、画像、ボタンについて最も信頼できる指標です。リンクのトラッキングをオンにする必要があります。
- 注文率:オファーなど、購入を変えるはずのものに最適ですが、バージョンの差を見分けられるだけの注文数が必要です。数えるのは注文した人数で、使った金額ではありません。
テストの大きさはどのくらいにすべき?
計測する行動をとる人が少ないほど、テストは大きくする必要があります。100人に2人がクリックするなら、1バージョンあたり200人のテストグループでは各バージョン約4クリックにしかならず、「勝者」は運で決まります。おおまかな目安として、開封とクリックなら1バージョンあたり少なくとも数百人、注文で決めるならはるかに多くの人を目指しましょう。
- 大きなリスト:オーディエンスの10%〜20%でテストし、勝者を残りに送ります。
- 中くらいのリスト:各バージョンに十分な人数が入るよう、30%〜50%など大きめの割合でテストします。
- 小さなリスト:リスト全体をバージョンで分け、結果は今回の勝者ではなく次回への学びとして扱います。判断する前に、同じテストを複数のキャンペーンで繰り返しましょう。
どのくらい待つべき?
クリックの大半は送信後の最初の数時間に起こり、注文にはもっと時間がかかります。開封やクリックで決めるならふつう数時間で十分で、注文なら1日ほど待ちましょう。ただし、タイミングを逃すほど待たないでください。23:00に終わるテストは、23:00に全員へ勝者を送ることになります。
A/Bテストの結果を正しく読むには?
- 小さなテストでの小さな差はノイズです。バージョンBが31クリック、バージョンAが28クリックなら、まだ何もわかっていません。
- 全体のやり方を変える前に、複数のキャンペーンで繰り返し現れる差を探しましょう。
- マイナス面も確認します。配信停止も2倍にする件名は、勝者ではありません。
- すべてのテストと結果を書き留めましょう。シンプルな共有シートが、自社の対応マニュアルになります。
A/Bテストのよくある失敗は?
- 一度に複数を変える:件名、画像、オファーがすべて違うと、どのメールが勝ったかはわかっても、理由はわかりません。多くの組み合わせを同時に試す多変量テストには、はるかに大きなリストが必要です。
- オファーのテストを開封で判断する:開封を左右するのは件名で、注文を左右するのはオファーです。変えたものに合った指標を計測しましょう。
- 偏った一部でテストする:すべてのバージョンを、同じオーディエンスの無作為な一部に、同時に送る必要があります。
- 早く止める:序盤のリードは消えることがよくあります。テストの長さは始める前に決めましょう。
- 二度とテストしない:お客様は変わります。昨年の春に勝った件名のスタイルが、今も勝つとは限りません。
SMSのA/Bテストはどうする?
SMSもテストできますが、違いが2つあります。スマートフォンはSMSが読まれたことを報告しないので、開封はありません。勝者はクリックか注文で決めましょう。また、SMSはパートごとに課金されるので、各バージョンの長さをそろえましょう。そうしないと費用もテストすることになります。
- オファーが先か、商品が先か。
- お客様の名前を入れるか、入れないか。
- 質問(「ブーツのこと、まだ迷っていますか?」)か、言い切りか。
- 短縮リンクを最後に置くか、途中に置くか。
フローでもA/Bテストはできる?
自動化は毎日動くので、テストする価値があります。新しい登録者を2つのウェルカムオファーに無作為に分けたり、チェックアウト離脱のリマインダーまでの待ち時間を2通りに分けたりして、数週間の注文を比べましょう。
SmartyTapのA/Bテスト
SmartyTapのキャンペーンには、メールとSMSで勝者を自動で選ぶA/Bテストが含まれています。
- 最大7バージョン:各バージョンは完全なメールなので、件名、プレビューテキスト、内容を変えられます。SMSでは、バリエーションを複製して文言を変えます。
- 勝者を決める指標を選べる:メールは開封率、クリック率、注文率から選べます。SMSは注文率を使います。
- テストの大きさと長さ:オーディエンスの10%〜100%で、1〜72時間テストできます。100%の場合は全員がいずれかのバージョンを受け取り、勝者は送られません。
- 勝者は自動でも手動でも:テストが終わると最も成果の良いバージョンが残りの全員に送られます。早めにいずれかのバージョンを全員に送ることもできます。結果が同じなら、バージョンAが送られます。
- フローでの無作為な分割:Conditional splitを使えば、無作為なサンプルを各経路に送り、フローの2つの分岐を比べられます。
SmartyTapが比べるのはバージョン全体で、多変量テストは行いません。手順はA/Bテストをご覧ください。
用語集:A/Bテスト、ホールドアウトグループ、クリック率、SMSキャンペーン。次に読む:メールマーケティングのベンチマーク解説、メールのセグメント分けの例、ブラックフライデーのメールとSMSのチェックリスト。
よくある質問
メールのA/Bテストはどのくらいの期間行うべきですか?
開封やクリックで勝者を決めるなら、ふつう数時間で十分です。送信後すぐに反応の大半が起こるからです。注文で決めるなら、1日ほど待ちましょう。テストの長さは始める前に決めておきます。
メールのA/Bテストでは最初に何を試すべきですか?
件名とオファーから始めましょう。行動を最も大きく変えるからです。その次にメイン画像、行動喚起、長さを試します。一度に変えるのはひとつだけにします。
開封率は今も勝者を決める良い方法ですか?
件名のテストに限り、注意して使えます。Apple MailのMail Privacy Protectionはメールの内容をバックグラウンドでダウンロードするので、開封は実際より多く出ます。クリック率と注文率のほうが信頼できます。
A/Bテストと多変量テストの違いは何ですか?
A/Bテストは、メッセージのバージョン全体を比べます。多変量テストは、複数の変更とその組み合わせの効果を同時に計測するもので、明確な答えを得るにははるかに大きなオーディエンスが必要です。
著者
Claire Mitchell
ライフサイクルマーケティング担当ライター、Chargezen
Claire Mitchellは、ライフサイクルマーケティング、顧客エンゲージメント、そして顧客維持におけるAIの役割の高まりについて執筆しています。企業がメール、SMS、メッセージングプラットフォーム、行動データを活用し、カスタマージャーニー全体でより的確な顧客体験を届ける方法を探っています。マーケティングの自動化、インテリジェントなセグメンテーション、パーソナライズされたキャンペーン、そしてブランドがリピート購入と顧客生涯価値(LTV)を高めるための戦略を中心に取り上げています。
