どの定期購入ブランドも、定期購入者を失います。商品が生活に合わなくなって離れる人もいます。けれども多くの人は、直せたはずの理由で離れていきます。前のボックスを使い切る前に次が届いた、カードの期限が切れた、予期しない請求が来た、スキップのボタンが見つけにくかった、などです。成長するブランドは、そうした直せる理由を見つけ、ひとつずつ解消しています。
このガイドでは、解約を正しく測る方法、定期購入者が離れるよくある理由、理由ごとに引き止めオファーを合わせる方法、最初の数回の注文が最も大切な理由、そして改善が効いているかを見極める方法を説明します。
解約率の意味と、追うべき2種類の解約
解約率は、一定期間に定期購入をやめた定期購入者の割合です。月間売上、顧客生涯価値、広告費の回収といったほかのすべての数字がこれに左右されるため、定期購入ビジネスで最も注目される数字です。
解約には2種類あり、それぞれ違う対策が必要です。
- 能動的な解約(自発的な解約):定期購入者が自分で解約を選ぶもので、たいていはポータル、メール、SMSから行われます。商品、タイミング、引き止めオファーを改善すれば影響を与えられる判断です。自発的な解約をご覧ください。
- 受動的な解約(非自発的な解約):更新の決済が失敗し、回復されないまま定期購入が終わるものです。定期購入者が気づいていないこともあります。主に決済とメッセージの問題です。非自発的な解約をご覧ください。
計算方法。月間解約率=その月に解約した定期購入者数÷月初のアクティブな定期購入者数。これを2回計算します。定期購入者が自分で選んだ解約と、決済エラーで失った定期購入のそれぞれです。例:3月をアクティブな定期購入者2,000人で始め、90人が自分で解約し、30人を決済エラーで失ったとします。能動的な解約率は4.5%、受動的な解約率は1.5%、合計は6%です。6%という1つの数字だけでは、問題の4分の1がお客様ではなくカードにあることが見えません。
1人が複数の定期購入を持つことがあるので、定期購入者(人)を数えるのか、定期購入(プラン)を数えるのかを一度決めておきましょう。どちらかに決めてラベルを付け、レポートごとに切り替えないでください。計算式は定期購入の指標のガイドで詳しく解説しています。
定期購入者が解約する理由
解約の理由は商品によって違いますが、物理的な商品を定期的に販売するブランドのほとんどで、同じいくつかの理由が見られます。
- 商品が余る:消耗品で最も多い理由です。お客様が使うより速くお届けが続き、在庫がたまり、止めるには解約しかないと感じてしまいます。
- 価格:今月はお金に余裕がない、またはもっと安い選択肢を見つけた。実は「この価格では見合わない」ということもあり、それは価格ではなく価値の問題です。
- タイミングと生活の変化:旅行、引っ越し、出産、食生活の変化。商品は気に入っているけれど、少し休みたい。
- 商品が合わない:フレーバーが好みでなかった、サイズが違った、商品が自分に合わなかった。
- 予期しない請求:定期購入したことを忘れていた、または更新が悪いタイミングで来た。解約だけでなく、チャージバックにもなりやすい理由です。
- 悪い体験:お届けの遅れ、ボックスの破損、答えてもらえなかったサポートへの質問。
- 何かを変えるのが難しかった:スキップや商品の変更をしたかったのに方法が見つからず、代わりに解約した。
- カードのエラー:そもそも本人の選択ではありません。期限切れのカード、残高不足、銀行による拒否は、回復しなければ静かに定期購入を終わらせます。
一般的なリストではなく、自社の理由を見つけましょう。解約するすべての定期購入者に、短い選択式の質問と任意の自由記入欄で理由を聞きましょう。問い合わせや、更新のメールへの返信も読みます。スキップも見てください。3回続けてスキップする定期購入者は、解約する前に、お届け頻度が合っていないことを教えてくれています。そのうえで、理由を商品別、注文回数別に分けましょう。2回目の注文での「商品が余る」は、デフォルトのお届け頻度が速すぎることを示しています。1回目の注文での「気に入らなかった」は、商品ページや最初のボックスの体験に問題があることを示しています。
解約理由に合わせて引き止める
どの解約にもとっさに割引で応えがちですが、それが間違っていることはよくあります。商品があふれている人は、もっと安い商品のボックスなど欲しくありません。定期購入者が伝えてくれたことにオファーを合わせましょう。
| 理由 | 合うオファー | 効く理由 |
|---|---|---|
| 商品が余る | スキップ、次回の注文日の後ろ倒し、お届け頻度を遅くする | 本当の問題を解決し、通常価格を保てる |
| 価格 | 次の数回の注文の割引、送料無料、小さいサイズ、前払いプラン | 商品を変えずに費用を下げられる |
| 少し休みたい | 再開日を決めた一時停止 | 解約を先送りに変えられる |
| 商品が合わない | 別のフレーバー、サイズ、商品への変更 | 関係を保ったまま、合わない点を直せる |
| 予期しない請求 | わかりやすいリマインダーのスケジュールと、今回の注文のかんたんなスキップ | 信頼を取り戻せる |
| 悪い体験 | お詫び、問題の解決、次回の注文でのクレジットや無料の商品 | 気づいてもらえたと伝わる |
引き止めオファーを誠実に保つためのルールが2つあります。1つ目は、定期購入者が誰にも電話せず、数クリックでいつでも解約を最後まで完了できること。2つ目は、1人が引き止めオファーを受けられる回数を制限し、割引が毎月の恒例行事にならないようにすることです。解約フローの例のガイドでは、7つのフローを詳しく紹介しています。
解約の多くは早い段階で起きる
ほとんどの定期購入ブランドにとって、最もリスクが高いのは最初の数回の注文です。お客様にはまだ習慣ができておらず、最初の割引は切れ、その商品を生活の定番にする価値があるかを判断しているところです。だからこそ、オンボーディングは解約を減らすのに最適な場所のひとつです。
- 使い方を伝えるウェルカム:1回目と2回目の注文の間に、商品の使い方と、どんな効果がいつごろ期待できるかを短いメッセージで送りましょう。
- 初めての通常価格での更新の前にリマインド:何が、いつ、いくらで届くのかを伝え、スキップ、商品の変更、日程の変更へのリンクを付けましょう。
- 最初のお届けのあとに様子をうかがう:使ってみてどうかを聞きましょう。「フレーバーが合わない」を「解約」になる前に拾えます。
- スターターキットから詰め替えへ:最初の注文がスターターキットなら、次回以降はもう一度キット一式を送るのではなく、自動で詰め替え用に切り替えましょう。
- 2回目か3回目の注文での小さな特典:無料の商品やクレジットが、次の注文まで続ける理由になります。
最初の数週間の計画については、オンボーディングフローをご覧ください。
解約よりも変更を簡単に
定期購入者が見つけられるボタンが「解約」だけなら、そのボタンが押されます。簡単にした変更の一つひとつが、防げた解約です。
- 役目を果たすポータル:スキップ、商品の変更、日程の変更、お届け頻度の変更、1回限りの商品の追加、カードと住所の更新が、すべてパスワードなしでできること。カスタマーポータルをご覧ください。
- 次回の注文のメールにボタンを:定期購入者が判断するのは、更新の前の数日間です。そのメールにワンタップのスキップや商品の変更のリンクがあれば、注文を守れます。クイックアクションをご覧ください。
- SMSやチャットでの変更:どこかにログインするより、「来月はスキップ」と返信したい定期購入者もいます。そうできるようにしましょう。
- 今すぐ発送:残りが少なくなった定期購入者には、「今日発送する」選択肢があれば、「ほかで買ったから」という解約を防げます。
決済エラーを解約になる前に直す
受動的な解約は、定期購入者がやめるつもりではなかったので、最も減らしやすい解約です。失敗した請求をスケジュールに沿って再試行し、何が起きたのかをわかりやすい言葉で伝え、ワンタップでカードを更新できるリンクを渡し、カードの有効期限が切れる前に知らせましょう。対応の全体は定期購入の決済が失敗する理由と回復の方法で解説しています。
解約ボタンを押される前に、リスクのある定期購入者を見つける
解約が突然起きることはめったにありません。よくある兆候は、繰り返されるスキップ、ポータルへの最後の訪問からの長い空白、未回答のままのサポートへの質問、最近の決済エラー、効果のなかった商品の変更、そして在庫のため込み(注文履歴から見た使用ペースよりもお届け頻度が速い)です。兆候が見えたら、次の更新の前に動きましょう。様子をうかがうメッセージ、お届け頻度を遅くする提案、個別のメッセージなどです。解約予測をご覧ください。
引き止め率を追跡して行動する
引き止め率は、解約フローがどれだけうまく機能しているかを示します。引き止め率=解約を始めたが代わりにオファーを受け入れた定期購入者数÷解約を始めた定期購入者数。全体だけでなく、理由別、オファー別に追跡しましょう。
そのうえで、その後どうなったかを確認します。2週間後に解約したなら、引き止めたことにはなりません。引き止めた定期購入者を30日後と60日後に見て、まだアクティブか、次の注文の代金を支払ったかを確認しましょう。引き止め率が低くても、1か月後に注文を続けている定期購入者が多いオファーのほうが良いオファーです。
解約の理由を1〜2週間ごとに見直し、直せるもののうち最大の理由を選び、ひとつだけ変え(デフォルトのお届け頻度、最初のボックスの中身、リマインダー、オファー)、その理由の割合を翌月にかけて見守りましょう。小さく着実な改善は、大がかりな作り直しに勝ります。
解約を減らすためのチェックリスト
- 解約を2つの数字でレポートしている:自分の選択によるものと、決済エラーによるもの。
- 解約するすべての定期購入者に理由を聞き、その理由を商品別、注文回数別に見直している。
- よくある理由ごとに合った引き止めオファーがあり、定期購入者はいつでも解約を最後まで完了できる。
- 引き止めオファーには定期購入者ごとの回数の上限がある。
- 新しい定期購入者に、ウェルカム、使い方のヒント、初めての通常価格での更新の前のリマインダーを送っている。
- スキップ、商品の変更、日程の変更、お届け頻度の変更が、ポータルからもメールからも1〜2タップでできる。
- 失敗した決済を、メールとSMSでのカード更新のメッセージとともに再試行している。
- リスクのある定期購入者に、次の更新の前にメッセージを送っている。
- 引き止めた定期購入者を30日後と60日後に確認している。
- 以前の定期購入者に、やめた理由に合わせた呼び戻しのキャンペーンを送っている。
Chargezenで定期購入者を維持する
Chargezenはブランドの事業を支える収益プラットフォームで、Subscriptionsは定期購入者が離れるかもしれないすべての場面をカバーしています。
- 解約フロー:理由を聞き、合うオファーを表示します。スキップ、商品の変更、割引、ギフト、一時停止に、代わりのオファー、A/Bテスト、定期購入者ごとの上限も設定できます。解約防止と定期購入者の維持をご覧ください。
- 決済エラーの回復:お好みのスケジュールでの再試行、拒否理由の分類、メールとSMSでのリマインダー、カードの有効期限前のお知らせ。決済エラーの回復をご覧ください。
- かんたんな変更:パスワード不要のカスタマーポータル、SmartyTapのメールとSMSやKlaviyoのメールに入れるワンタップのスキップ、商品の変更、再開のリンク(クイックアクション、Klaviyoのコードブロックは自動で入力済み)、そしてConciergeによるSMSやチャットでの変更。
- 自動化:ウェルカムメッセージ、スターターキットから詰め替えへの切り替え、決まった注文回数でのギフト、更新前の解約リスクに応じたメッセージの出し分け。ワークフローをご覧ください。
- 離脱顧客の呼び戻し:やめた理由に合わせたオファーを、ワンクリックの再開とともに。離脱顧客の呼び戻しをご覧ください。
- レポート:解約、理由、更新、顧客グループの推移。定期購入の分析をご覧ください。
Subscriptionsは、Shopify AdvancedとShopify Plusのストア向けに月額US$199または年額US$1,990で、維持した売上に手数料はかかりません。料金プランをご覧いただくか、解約率の計算ツールで解約によるコストを試算してください。
よくある質問
定期購入の解約率はどのくらいなら良いのですか?
商品、価格、お届けの頻度によって変わるので、別のカテゴリーの数字は誤解のもとになります。自社の過去と比べましょう。前年の同じ月と、新しい顧客グループごとにそれ以前のグループとを比べます。能動的な解約と受動的な解約がどちらも時間とともに減っていれば、順調です。
解約しにくくすべきですか?
いいえ。隠れた解約ボタンはチャージバック、怒りのこもったレビュー、法的なリスクを生み、ロイヤルティを築くことはありません。まず本当の代わりの選択肢を示し、そのうえで数クリックでやめられるようにしましょう。良い関係のままやめた定期購入者ほど、呼び戻しやすいのです。
能動的な解約と受動的な解約、どちらを先に直すべきですか?
ふつうは受動的な解約です。決済エラーの回復はほとんどが設定作業で、回復できる定期購入者はもともとやめたくなかった人たちです。そのあとで、解約データの中で最も大きな能動的な理由に取り組みましょう。
割引で解約は減りますか?
価格を理由にやめる定期購入者にだけ効きます。それ以外の人には、スキップ、お届け頻度を遅くすること、商品の変更、一時停止のほうが実際の問題を解決し、利益も守れます。




