VoIP(Voice over Internet Protocol)は、銅線の電話回線ではなくインターネットを通じて行う通話です。ノートパソコンの通話アプリ、ネットワーク端子に接続する卓上電話、ユーザーごとに料金を払うビジネス向け電話サービスを使ったことがあれば、VoIPを利用したことになります。現在販売されているビジネス向け電話システムの大半はVoIPです。
このガイドでは、VoIPとは何か、固定電話や携帯電話のプランとの違い、見積もりで目にするサービスの種類、起こり得る問題(911を含む)、自社に適しているかの判断方法を平易に説明します。技術的な説明は、VoIPの仕組みを順を追って解説した記事をご覧ください。
VoIPを一段落で説明すると
音声を小さなデータパケットに変換し、インターネット接続で送信して、相手側で音に戻します。VoIPプロバイダーがそのパケットを通常の電話網につなぐため、一般の電話番号と発着信できます。FCCはこれを「相互接続型VoIP」と呼んでいます。リアルタイムの双方向音声通話を提供し、ブロードバンド接続とインターネット対応機器を必要とし、公衆交換電話網との発着信ができるサービスです(47 CFR § 9.3、2026年10月19日確認)。この公衆電話網については、PSTNガイドで説明しています。
VoIP・固定電話・携帯電話プランの比較
| 固定電話(POTS) | 携帯電話プラン | VoIP | |
|---|---|---|---|
| 通話を運ぶもの | 電話会社の銅線ペア | 通信事業者の基地局 | インターネット接続 |
| 応答できる場所 | その回線につながる電話機 | 1台の電話(番号ごと) | 卓上電話、パソコン、電話アプリ、ブラウザー |
| 1つの番号の共有 | 同じ回線に子機を追加 | 難しい。SIM1枚につき1人 | 標準で対応。複数人で1つの番号を共有 |
| 停電時の利用 | 銅線と有線電話機なら使える場合が多い | 電池が続く限り利用可能 | モデム、ルーター、電話機の予備電源がある場合のみ |
| 一般的な料金体系 | 地域の通信事業者から回線単位で契約 | 携帯電話プラン単位 | ユーザーまたは番号ごとの月額料金 |
| 今後 | 大手通信事業者が廃止を進行中 | 安定 | ビジネス向け電話サービスの主流となる方向 |
まだ銅線回線の料金を支払っている場合は、POTS回線と銅線廃止のガイドで、変更点と先に移行すべきものを確認できます。
よく見かけるVoIPの種類
- クラウド電話システム(ホステッドPBX):プロバイダーがデータセンターで電話システムを運用し、ユーザーごとに料金を支払います。内線、留守番電話、音声メニュー、着信グループをウェブページから管理できます。RingCentral、Zoom Phone、Dialpad、Ooma Officeなどが該当します。ホステッドPBXガイドで提供内容を説明しています。
- 仮想電話番号:通常はアプリを通じて、今ある電話を鳴らすビジネス用番号です。完全な電話システムよりシンプルで、Google Voice、Quo、Grasshopperがこの分類に入ります。
- SIPトランキング:自社で電話システム(機器室のPBXなど)を所有している場合、外部につなぐ銅線回線をSIPトランクで置き換えます。システムはそのままで、接続だけが変わります。
- ソフトフォン:卓上電話の役割を果たす、パソコンやスマートフォンの通話アプリです。ソフトフォンとは何かをご覧ください。
- 一般消費者向け通話アプリ:WhatsAppやFaceTime AudioなどもVoIPを使いますが、通話相手は同じアプリのユーザーです。どの電話からでもかけられるビジネス用番号は提供しません。
「固定型」と「非固定型」のVoIPという表現もあります。固定型VoIP番号は、固定電話のように登録住所と結び付いています。非固定型番号は、実際の住所なしでオンラインから取得できます。一部の銀行やサービスは認証に非固定型番号を認めず、迷惑電話フィルターに警戒されやすい場合もあります。そのため、事業者確認を行うプロバイダーのビジネス用番号のほうが安全な選択です。
VoIPを使うために必要なもの
- 安定したインターネット接続。一般的な設定では、通話ごとに必要な帯域は送受信それぞれ100kbpsを大きく下回りますが、安定して確保する必要があります(数値はVoIPの仕組みを参照)。
- 会話に使う機器。ヘッドセット付きパソコン、電話アプリ、VoIP用の卓上電話(「IP電話機」)などです。
- 電話番号を提供し、公衆電話網に通話を接続するプロバイダーのアカウント。
- 古いアナログ電話機やFAX機には、それらをネットワークにつなぐアダプター(ATA)。
企業がVoIPに切り替える理由
- どこからでも応答:オフィス、自分のスマートフォン、自宅のノートパソコンで、同じ番号の着信を受けられます。
- 番号を共有:複数人で代表番号に応答し、通話履歴を確認して、同僚の対応を引き継げます。
- ソフトウェアで設定変更:人や番号の追加は管理画面で数分。技術者の訪問は不要です。
- ほかのツールと連携:ヘルプデスクやCRMの顧客情報と並べて通話を表示したり、録音・文字起こしをしたり、AIエージェントが応答したりできます。
- 予測しやすい料金:多くのプランは、ユーザーごとの定額料金に米国内の無制限通話を含みます。VoIP料金ガイドでは注意すべき追加料金を紹介しています。
率直に見たデメリット
- インターネットと電源が必要:ネットワーク障害や停電が起きると、モデム、ルーター、電話機に予備バッテリーがあるか、携帯アプリで通話を受けられる場合を除き、VoIP電話は使えなくなります。
- 通話品質はネットワーク次第:音切れ、遅延、通話切断は通常、混雑した接続や不安定な接続が原因です。特に利用が集中するWi-Fiで起こりやすくなります。
- 911の仕組みが異なる:VoIP電話は自分の所在地を自動では把握しません。詳しくは後述します。
- 古い機器にはアダプターが必要:銅線向けに作られた警報装置、FAX、エレベーターの電話、カード決済端末は、VoIPでは安定して動かない場合があります。回線を解約する前に確認してください。
VoIPと911:知っておくべきこと
相互接続型VoIPのプロバイダーは911サービスを提供する義務があり、利用開始前にサービスを使う「登録所在地」を収集し、更新する手段も提供しなければなりません。また、911が使えない場合や固定電話とは異なる動作をする場合について、すべての加入者にわかりやすく説明する必要があります。FCCの一覧には、機器の移動、地域外の番号の使用、インターネット障害、停電、911センターへの住所の伝達遅延が含まれます(47 CFR § 9.11、2026年10月19日確認)。
実務では、申し込み時に各電話機・ユーザーの正確な住所、部屋番号、階数を設定し、誰かが移動したら更新してください。在宅勤務者も対象です。また、共用電話のそばに障害時の対応を掲示します。これは一般情報であり、法律上の助言ではありません。プロバイダーの911利用条件を確認してください。
自社にVoIPは必要か
簡単な判断方法があります。次のうち2つ以上が当てはまるなら、VoIPが適している可能性が高いでしょう。
- 複数人がビジネス用番号で応答または発信する必要がある。
- オフィス、自宅、外出先など複数の場所で働いている。
- 通話の録音、文字起こし、顧客情報と並べた表示を行いたい。
- 通信事業者から銅線回線の廃止通知が届いた。
- 技術者を呼ばずに人員の追加や削除をしたい。
1人で営む事業なら、携帯電話に2つ目の番号を追加するだけで足りる場合があります。終日デスクで電話に応答する人がいるオフィスには、完全なクラウド電話システムが適しています。その中間にある小規模チームの多くは、もっとシンプルなものを求めています。すべての電話に応答し、必要なときに適切な担当者を呼び出せることです。ビジネス用電話番号の取得ガイドで選択肢を紹介しています。
Chargezenでできること
Chargezenも同じ種類のインターネット通話で動きますが、スタッフを配置して使う電話システムではありません。Conciergeがビジネス用番号への電話とSMSにAIで応答し、顧客が人の対応を必要とするときにチームが参加したり引き継いだりします。
- 通話とSMSに使える1つの米国番号:Chargezenで米国のフリーダイヤル番号や市内番号を取得し、電話番号で市外局番から空き番号を検索するか、現在の番号を持ち込めます。SMSに必要な通信事業者への登録はChargezenが申請します。ビジネス用電話番号をご覧ください。
- Conciergeがすべての電話とSMSに応答:昼夜を問わず、設定した冒頭のあいさつで応答し、提供した情報に基づいて回答します。以前の発信者を電話番号で識別します。AI受付と電話チャネルをご覧ください。
- Finnやブラウザーからチームが参加:顧客が人の対応を必要とすると、ConciergeがFinnアプリとブラウザーでチームに通知し、指定したメンバーにメールやSMSを送ります。マイクをオフにして会話を聞き、「通話に参加」をタップすると、Conciergeが参加を発信者に伝えます。iPhoneやMacのFinnアプリから、メモを添えて同僚に通話を転送できます。電話通話をご覧ください。
- 顧客ごとに1つのスレッド:通話、SMS、そのほかの顧客履歴がチーム受信トレイにまとまるため、次の担当者がこれまでのやり取りを確認できます。
- 自社のルールで録音:番号ごとに常時録音するか、録音しないかを設定します。録音開始前に発信者へ案内が流れ、録音の保存期間も選べます。通話録音をご覧ください。
Chargezenが提供しないものも明確にしておきます。VoIP回線、卓上電話、PBXは販売していません。内線、音声メニュー、着信グループ、着信転送、同時呼び出し、営業時間に応じたルーティングはなく、番号は米国(+1)のみです。これらが必要なら、それに対応した電話システムを購入してください。Chargezenはビジネス用番号への電話とSMSに応答し、チームがその同じ会話の中で対応を続けます。
Concierge Starterは月額US$20で20,000クレジット付きです。Proは月額US$199で199,000クレジット付き、または年額US$1,990です。電話とSMSは利用量に応じて課金され、ユーザーごとの料金はありません。料金をご覧ください。
関連用語:VoIP、番号ポータビリティ、STIR/SHAKEN、AI受付。関連ガイド:VoIPの仕組み、VoIPの料金、ホステッドPBXの解説。
よくある質問
VoIPとWi-Fi通話は同じですか?
完全には同じではありません。Wi-Fi通話は携帯電話プランの機能で、電波が弱いときに通信事業者が通常の携帯番号の通話をWi-Fi経由で処理します。VoIPは独自の番号とアカウントを持つ別サービスで、通常はユーザーごとに課金されます。
VoIPに切り替えても現在の番号を使えますか?
通常は使えます。米国のほとんどの番号はVoIPプロバイダーに移行できます。移行が完了するまでは旧サービスを維持してください。手順は番号移行ガイドで説明しています。
VoIPは安全ですか?
安全に利用することは可能です。通話を暗号化しているかプロバイダーに確認し(TLSとSRTPが目印です)、管理者アカウントの2要素認証を有効にしてください。また、アカウント乗っ取りは高額な通話料金を発生させるために悪用されることが多いため、国際電話をかけられる人を制限します。
携帯電話でもVoIPを使えますか?
はい。ほぼすべてのプロバイダーが、ビジネス用番号で着信するiPhone・Androidアプリを提供しています。個人の番号を表示せずに応答や発信ができます。




